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宇宙の謎VRで探訪 カミオカラボ「バーチャル科学館」 - 岐阜新聞

「バーチャルカミオカラボ」を説明するスタッフの高知尾理さん=9月、飛騨市神岡町、ひだ宇宙科学館カミオカラボ

「バーチャルカミオカラボ」を説明するスタッフの高知尾理さん=9月、飛騨市神岡町、ひだ宇宙科学館カミオカラボ

 岐阜県飛騨市神岡町にある「ひだ宇宙科学館カミオカラボ」が、仮想現実(VR)の科学館「バーチャルカミオカラボ」を立ち上げ、注目を集めている。新型コロナ禍で来館者数が減少する中、海外を含めてネット上で知名度向上を図り、実際の来館につなげようとの戦略だ。逆風に負けまいと職員が一からVR技術を学んで挑戦しており、ラボを利用した科学ファンからも好感触を得ている。

 「現実では知覚できない素粒子にも触ることができるんですよ」。ラボの画面を示しながら、アニメの登場人物のようなアバター(分身)を操作するスタッフの高知尾理(たかちおおさむ)さん(32)が、熱っぽく解説を始めた。ラボの中を歩くと、素粒子ニュートリノに見立てた光の粒が雨のように降り注ぐ広間に。見上げると「太陽からのニュートリノはヒトの身体を100兆個/秒通り抜けています」と文字が浮かぶ。現実ではあり得ない展示もVRならではだ。

 科学ファンに人気の会員制交流サイト「cluster(クラスター)」上に6月開設した。利用者からは「実際に科学館に来たみたい」「遠いけど現実でも行ってみたい」と好評だ。

 実在のラボは東京大宇宙線研究所と東北大ニュートリノ科学研究センターが監修、飛騨市が総工費約3億円を投じ、昨年3月にオープンした。同市の地下にあるニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」の内部映像などノーベル賞を生んだ先端研究を学ぶことができると人気を呼んだ。

 華々しい1周年となるはずだった今春、ラボの様子は新型コロナの流行で一変した。来館者は一時、前年の1割まで減少。オンライン見学や科学の最新ニュースを解説する動画配信など、地道な取り組みを続けて少しずつ客足は戻ったが、まだ前年の4割ほどだ。

 そんな中で取り組んだのが公式仮想ラボの構築だ。館に勤める高知尾さんは宇宙線研究所で学び博士号を持つ科学者だが、VR展示は知識がなくサイト運営会社のセミナーに参加して一から勉強。初めて触れる作成ソフトで1カ月ほどかけて公開にこぎ着けた。

 ニュートリノの衝突を再現するシューティングゲームなど、VRを生かして遊びながら学べる工夫を凝らし、クイズ大会や講演などイベント開催にも力を注ぐ。現在は月間100人程度が利用。高知尾さんは「海外の科学者の目に留まるなど予想外の広がりをする可能性もある」と期待する。

 「仮想空間の活用は全国の科学館や博物館、研究施設の見学に広がる」と話す石橋祥二館長(71)。課題は「仮想ラボへのアクセスをいかに実際の来館につなげるかだ」。コロナ後を見据え、さらに挑戦は続く。


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October 19, 2020 at 06:26AM
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