とうとう出た、「iPhone 12」。発表会では「コンピュテーショナルフォトグラフィ」推しで暗所に強くなって動画もHDR対応(Dolby Vision!)になってなんかすごいぞって感じであるのだけど、さてさてどのくらいすごくなったのか(はたまた実は大してなってないのか)、その辺をサクサクといくのである。
iPhone 12の細かい進化に注目
今回使ったのはiPhone 12。Proじゃないやつ。Proの方はPro Maxが出たときにでもやるけれども、今回はLiDARの有無や望遠カメラの有無などの違いはあるとはいえ、基本的な画質は12と12 Proでは大差ないので、それを念頭に置いて「iPhone 12の基本画質」は、って感じで読んでほしい。
ちなみに、iPhone 11と12を並べるとこんな感じ。左がiPhone 11。友人が持っていたので並べて撮らせてもらった。大きさ感はほぼ同じ。iPhone 11はカメラ部が白いけれども、これは彼が貼ったものなので、気にしないでください。まあiPhone 12の方が板っぽい。
今回、前モデルとの画質比較も欲しいよねってことで、画質比較対象は私のiPhone 11 Proで。
では撮る。
広角カメラは従来通りの35mm判換算で26mm相当。でもレンズがF1.6と明るくなった(11 ProはF1.8)。この数字は小さければ小さいほどいいと思ってOK(乱暴だけど)。
でも、通常の、そうだなよく晴れた日の風景写真くらいだと違いはまず出ない。もし出たとしたら、違う理由だ。
いつものガスタンクでチェック。
微妙に出ていますな。よく分かるように部分拡大して並べてみた。違うでしょ。iPhone 12の方が色がやや濃いのだけど、赤に関しては沈まずにキレイに色が出ている。さらに、木々を見るとよりシャープに。
ではどっちが本物に近いのか……まあ難しい問題だけど、取りあえず「消火器」の赤い色はiPhone 12の方が見た感じに近い。
今回、カメラの設定に「シーン検出」項目が追加された。
それも関係しているかも。
ついでに超広角のカット。こちらは35mm判換算判換算で13mm相当とかなりの超広角で広い範囲を撮るにも狭い場所で撮るにもいい。
さらにHDRが強くかかりそうなシーンで。iPhone 12の方が暗部がちょっと明るく、でもハイライト部はうまく収めているのが分かる。
次は料理。
iPhone 12の方が白をより白く合わせており、さらにディテールの描写力が上がっている。微妙な違いだけれども。
iPhone 11系と12系では12の方がより洗練されたけれども、11系から12系に買い替えるほどの差があるかというと、一般的な撮影ではそこまでじゃないというか、11系でも十分キレイ。よく見ると12系の方がちょっと明るめで見栄えのする写真になることが多いという感じだ。さらにそれ以前のiPhoneと比べると、多分、かなり画質が上がったと感じるはずなので、買い替えたくなるほどの差があると思っていいんじゃないか。
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人を撮ると違いがはっきりと出るのだった
ではもっと差が出そうな被写体へと行こう。それは人物。これが結構違うのだ。
普通に撮っただけでも、iPhone 12の方が顔が明るく撮れているのが分かる。逆光気味でも顔が明るく撮れるよう全体に露出を上げ、ているのだ。これはデカい差だ。
従来のiPhoneの絵作りって特定の被写体に強く合わせてくる、ってあまりしてなかったのだけど、今回は画像を瞬時に解析してそれぞれが最適な明るさや色になるよう調整してきているのが分かる。
続いてポートレートモード。このケースではあまり差はない。
が、細かい処理が賢くなっているようで、別のカットだけどよく分かるシーンを拡大してみた。iPhone 11まではこういう「穴」の奥がうまく処理できないケースがあったが、今回は改善されている。
インカメラは1200万画素でF2.2で35mm判換算で23mm相当と、基本スペックはiPhone 11系と同じだ。
写真モードとポートレートモードそれぞれでどうぞ。ポートレートモードでの背景のボケ具合が違うのはデフォルトの設定の差だ。
アウトカメラで人を撮ることが多いなら、iPhone 12系はおすすめだ。
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夜に強いiPhone 12
でも一番大きな差が出るのはやっぱ夜かなと思う。
ナイトモードが発動するときはナイトモードのアイコンが黄色くなるのだけど、レンズが明るくなったおかげで多少の暗さではナイトモードに入らなくてもよくなった。
1秒とか2秒とかじっとしてなくてもいいシーンが増えたし、iPhone 11 Proだと3秒待たねばならないシーンでも2秒で済むようになった。
ナイトモード自体に大きな差はないけど、より明るく撮れるようになったかなと思う。
ただ、大きな進化が1つある。超広角カメラでもナイトモードが使えるようになったことだ。超暗い場所で撮り比べると差が一目瞭然。
ここまで極端に暗い場所じゃなくてもこれだけの差が出る。夜景を撮る人はiPhone 12にしたくなるレベルだ。超広角カメラは広角カメラに比べて暗所性能が低いので、ナイトモードが使えるようになったのはメチャでかい。
さらに、インカメラでもナイトモードが効くようになった。超暗い場所で撮り比べると、こんなである。ちなみに夜空に光っているのは月。
明らかにより暗い場所でも撮れるようになっているのだ。夜遊び好きならiPhone 12ですな。
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で、ストローぼけ問題は解決した?
と、iPhone 12は細かく画質を上げており、特に暗所での撮影能力向上(特に超広角とインカメラでの夜景モード)は日常的にありがたい。
そうなると気になるのが、今まで欠点とされていた点が改善されたか。いわゆる「ストローぼけ」問題だ。今まで、アングルによって発生したりしなかったりする。背景とのコントラストがあると出づらいが、わざと出してみた。
これがiPhone 12だとこうなった。
なんとか頑張っている。でもシーンによっては相変わらず。
でも大きく改善されたケースもある。これ、水飲み部分が周りの風景を反射しているので今まではうまく処理できなかったのが、きちんと対応している。
少なくともiPhone 12に関しては、完全とはいえないけどかなり改善されたと思っていい。もうちょっと近距離でもポートレートモード使えるともっとよかったのにね。
動画はHDR対応に
静止画のクオリティーが上がったのと同様に、動画もよくなっている。
Appleが特にアピールしていたのがHDR対応。
設定でHDRビデオをオンにすると、Dolby Vision形式でHDR動画を撮影してくれる。特に高輝度部がより明るくクリアになるのだが、その威力を鑑賞するには撮影した端末で再生するか、Dolby Vision対応の再生装置が必要になるわけで、悩ましい。
HDRで撮影した動画は「HDR」と付く。HDRビデオのオンとオフで撮り比べてみると、確かに全然違うのである。
カメラのためにiPhoneを買い換える?
と、iPhone 11世代の代表としてiPhone 11 Proを、12世代の代表としてiPhone 12を並べて比較しながらチェックしてみた。
大ざっぱに結論を言えば
- 日常の撮影でも画質は上がっているが、11から買い換えるほどの劇的な差はない。
- 夜の撮影が多い人や暗所でいっぱい撮りたい人は11から買い換える価値はあり。超広角カメラやインカメラのでナイトモード対応はデカい。
- iPhone 11より前の世代(iPhone 8やXRなど)から買い替えたら「え、メチャきれいになってるやん」って感動するレベルなんじゃないか。iPhone 8世代からなら行っちゃってOK。
かな。
ちなみに私は、iPhone 12 Pro MAX待ちです。
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