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すべて止まったコロナ社会、「戻すもの」と「戻さないもの」…科学は「最善の努力」を助言 - 読売新聞

 科学は、人間社会が手にした最強の知的道具です。それ故に、新型コロナをはじめとする新興感染症や2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故のような有事の際には、科学者の知見を、被害拡大を防ぐ政策判断に反映させようと試みられてきました。そこには、常に難しい問題が潜んでいます。

 科学者が客観的な事実やリスク評価を示す役割を担い、それをもとに政治が基準を定めたり、判断を下したりするというのが、通常の科学と政治との関係です。こうした分業でうまくいく事例はたくさんあります。ところが、うまく機能しないタイプの問題が噴出してきました。古くは原発の安全性をめぐる議論であり、今回の新型コロナ禍への対応なども、その典型です。

 「原発の安全装置が全部壊れたらどうなるか」。こんな問いに、専門の工学者であれば、「深刻な事故が起きる」と皆が言い切れます。起こる確率が極めて低いという点でも意見は一致するでしょう。ところが、この低確率の事態について、さらなる対策を講じるべきか否かとなると、見解が分かれてしまいます。経済的合理性や社会がリスクをどこまで許容するかなど、さまざまな観点からの検討結果を加味して、判断しないといけないからです。

 新型コロナの場合はどうでしょうか。感染防止という観点だけでいえば「濃厚接触を断つしかない」と、専門家の考えは極めて明瞭です。しかし、いつまで自宅で巣ごもりを続けるべきなのか、感染リスクをある程度許容しながら経済活動を維持すべきなのか。政治と交わる境界領域で何を重視するのか、科学だけでは答え難い「トランス・サイエンス」の問題と言えます。

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August 09, 2020 at 07:00AM
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